きり丸の技術日記

技術検証したり、資格等をここに残していきます。

ソフトウェア工数見積で意識すべきABPとHPとパーキンソンの法則(CCPMの文脈)

よくABPとHPの正式名称を忘れるので自分用にまとめます。

前提

  • クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント
    • 略称はCCPM

ABPとは

ABPとはAggressive But Possibleの略称です。日本語訳としては「積極的に行えば可能」「頑張れば可能」です。私の感覚では、バッファを積まずに7割くらいの確率で達成できる時間を指してます。

HPとは

HPとはHighly Possibleの略称です。日本語訳としては「だいたい可能」です。私の感覚では、バッファを積んで9.5割くらいの確率で達成できる時間を指してます。

パーキンソンの法則とは

パーキンソンの法則とは仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張するという法則です。他のパーキンソンの法則は今回の文脈では使用しないので省きます。

言いたいこと

要約

  • チーム内のタスクはバッファを積まないABPで見積もり、他チームへのスケジュールの報告はバッファを積んだHPで見積もる
  • タスクにはバッファは積まない、全体のタスクにバッファを積む

詳細

見積は難しいです。見積よりも早く終わることもあれば、見積の2倍以上の時間をかけても終わらないことがあります。では、終わらないことを前提にバッファを積むのはどうでしょうか。その場合はバッファを含めた時間どおりに終わることもあるでしょう。

問題はどこにバッファを積むかです。各タスクにバッファを積むのか、それとも全体のタスクにバッファを積むのか。

その場合は全体のタスクにバッファを積んでください。各タスクでバッファを積んでしまうと、パーキンソンの法則が働いて時間をすべて使い果たしてしまいます。このパーキンソンの法則自体はサボっているから時間を使い果たすというわけではなく、メールやSlack確認、問い合わせ資料の更新がないか等々の細々した仕事ではあるけれどメインタスクではない時間で使い果たされてしまいます。

パーキンソンの法則が働かないようにバッファを積まないことが理想ではありますが、社会人としてはスケジュールがないと他部署や御客様への迷惑が掛かってしまいます。

そのため、チームの小さな単位ではバッファを積まない状態のABPで見積もり、他チームへの報告としてはスケジュールどおりに進行できるようにバッファを積んだHPでの報告することが求められています。

資料

過去のLTで29-38ページの内容を発表してました。

終わりに

概念だけでも覚えてほしいです。

とはいえ、概算で立てたスケジュールに対してコミットを求められるのはしんどいですよね…。きちんとバッファはバッファと認識したうえで、食いつぶさないようなチームを作り上げられたら最高かなと思います。

参考情報